だし 陶器と京料理

だし

日本が世界に誇るに日本料理の源流を作ったのは京料理です。京料理は京都で作られている料理のことで、一汁一菜を基本に、その時期の四季折々の食材を使って色鮮やかな料理となっています。その京料理と日本料理の関係において、その一番の恩恵といえるのが陶器をつかって盛り付ける手法だといえます。陶器は田んぼの土の中でも特に栄養を含んだ部分を乾燥させた土を使ってこねて、そのまま器として形作ったりまた釉薬を塗って色鮮やかに彩り焼き上げます。

元々冬季の多くは花を生ける物として使うもので、料理に使うということはしなかった代物です。それを京都の陶器作りの職人が、もっと陶器の使用幅を広げたいという観点から料理にも応用が可能な形に変化させることで生まれたのが料理専用です。現在では盛り付けに陶器を使うのが至極当然のようになっていますが、やはりその源流を作ったのは京料理といえます。

しかし本場と各地の料理との明確な違いは、自身の料理の芸術性も重んじるために器も料理の一部として考えることです。そのため器として使うときには必ず透明なだしを使います。透明なだしはカツオだしは少なめにし、その代わりにこんぶで味を出しその後薄口醤油で風味付けをします。これによって透明な汁が完成し、その器の美しさを維持しながら目でも口でも楽しめる料理の文化となっています。