陶器が京料理をより美しいものへ
京料理は非常に繊細で見た目はシンプルながらも美しさと優美さを兼ね備えたもので、味わう前から人々に風情と趣を感じさせます。ぱっと見た彩も派手というよりは素朴で温かみのある「日本人の良い部分」を表現したようなものになっており、普通の和食や創作料理、中華やイタリアンなどに使用される食器を盛り付けに使用してしまうと、ちぐはぐな印象になってしまいます。
そうなってしまわないためには、京料理の美しさを損なわず、むしろ引き立たせるような陶器を用いることです。
陶器の二つと同じものが存在しない唯一無二の美しい姿というのは、京料理の繊細で奥深い美しさとどこか似ています。この二つを上手く合わせることで、料理をより美しいものとすることができます。そして、その見た目の美しさが味にも良い影響を与えてくれることとなります。料理はまず目から楽しむものですから、見た目がそのものの持つ本来の美しさを十二分に表すことで、味にもより一層の深みを持たせることができるというわけです。
美しい器としては陶器以外に磁器も存在しますが、磁器は特徴的な透明感のある美しさが、逆に冷たい印象を与えてしまいます。粘土で作られる陶器の方が、京料理の温かみを素直に表現してくれるので、おすすめです。