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五感で楽しむ 陶器と京料理
日本料理と同義ともされる京料理は、野菜・乾物・大豆の加工食品を用いた素材の味を生かす薄味の洗練された料理です。料理といっても味だけでなく見た目やその雰囲気を含めた五感で楽しむ料理として広く知られています。京都は天下の台所と呼ばれていた大阪とともに食文化の中心となって発達してきた土地で、中華料理を起点とした大餐料理から精進料理、懐石料理を経て現代日本における食生活に多く取り入れられている西洋料理に至るまでの、様々な料理の手法を取り入れてきたのが京料理です。
先ほど五感で楽しむものとお話しましたが、見た目で料理を楽しむためには食材を引き立てる器も非常に重要な要素になっています。京都の町には陶器の専門店も多く立ち並ぶほど京都での料理にとっての陶器は欠かせないものなのです。
京都で有名な陶器である京焼は、京料理とともに発展してきました。季節の食材を使ったお料理をより魅力的に見せるために進化してきた器なのです。料理人は調理の腕だけだけでなく、器の使いこなし方まで重要になるのですね。
ユネスコ無形文化遺産にも登録された和食。その最たるものである京料理を陰ながら支えてきたのが陶器の器だということがお分かりいただけましたでしょうか。