お造り 陶器と京料理

日本料理の中には、様々な料理があります。関西では京料理の人気が高いです。京都には、長い歴史があります。豊かな自然に恵まれた京都の中で磨かれた京料理は、懐石料理や精進料理などダシを基本とする伝統技術によって創作された料理のひとつです。美味しく美しく調理された京料理は、器使いも重要です。料理人は、陶器など様々な椀を選んで料理を盛りつけます。
お造りなども、出されたときに魅力的な器だと目をひきます。お造りなどの一品料理は、器によって見た目が変わります。ですから、選ぶ方も力を入れて選ぶことが少なくありません。繊細な料理ほど、器選びは重要なのです。器は、原料の産地や作る人によっても大きく異なります。和食の調理人の中には、修行中に勉強をして器の知識が豊富な人が多いです。
京都料理では、京焼もよく使われます。京焼とは、京都で作られた陶磁器のことで、非常に薄く繊細なのが特徴です。陶器にはそれぞれ特徴がありますが、京焼には他の陶器にはない繊細さがあります。器は、料理を盛ることで完成すると言われています。日本料理を食べる時は、器を見る楽しみもあります。舌と目で味わうことができるのも、日本料理の醍醐味のひとつなのです。
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風情 陶器と京料理

料理は味や使っている食材も大切ですが、それらと同じくらい大切とされているのが、見た目です。料理の見た目に関しては、料理自体を彩り鮮やかにするだけでは十分とはいえません。料理を盛り付ける「器」にもこだわってこそ、料理が持つ本来の美しさを食べる人に正しく伝えることができます。
京料理の場合ですと、数多くある器の中でもとくに陶器がおすすめです。京料理はその他の中華料理やイタリア料理、フランス料理などと違い、素朴な美しさが光る料理なので、風情の感じられる味のある見た目が印象的な陶器が見事にマッチするというわけです。

料理と器は互いに主張が強すぎては、互いの魅力を半減させてしまいます。かといって、主張の強い料理に対して素朴過ぎる器を選んでしまうと、場合によっては両極端すぎてちぐはぐな印象を与えてしまい、バランスの悪いものとなってしまうこともあります。陶器と京料理は両方が控えめながらもしっかりとした個性を持ち合わせつつ、それを前面に押し出さない奥ゆかしさもあるため、個性を殺し合うことなく、むしろ見事に調和のとれた素晴らしい見た目を演出します。
陶器の風情ある姿は、時にシンプルで簡素ともとられてしまう京料理の日本らしい静かな魅力を、絶妙に引き立たせてくれます。

陶磁器と陶器の違い

日本には昔から様々な種類の焼き物が作られてきましたが、その焼き物は大きくわけると陶磁器と陶器にわけることができます。
この2つの違いを知ることで適切な扱い方がわかるようになり、お気に入りの陶磁器と陶器を長く使うことができるようになるでしょう。陶磁器と陶器の一番の違いは、原材料が異なるということです。陶器は土物と呼ばれ、主に自然界で取れる粘土が原材料となっています。一方の陶磁器は石物と呼ばれており、陶石を粉々に砕いた石粉を粘土に混ぜ合わせたものが原材料となっているのです。
原材料が違うため、焼成温度にも違いが出てきます。陶器は800度~1250度、陶磁器は1200~1400度で焼かれます。焼き物は素材によって耐熱性が変わり、陶石の方が耐火度が高いという特徴があるのです。見た目の違いでは、粘土を原材料としている陶器は土物陶器ならではの暖かい味わいがあり、叩くと鈍い音がします。陶磁器はガラス質を多く含んでいるため、ガラスのような光沢や硬質さがあり、叩くと高い澄んだ音がするでしょう。

また、この2つは厚さにも違いがあります。陶磁器は陶器に比べて薄く作ることができ、薄い陶磁器は光にかざすと透けて見えるのです。陶器の手触りは、どっしりと厚みがあり多孔質でザラザラしているのに対し、陶磁器はしっとりなめらかになっています。焼き物の足にあたる部分は高台と言われ、この 高台の素地の色と触った感じでも判断することができます。この部分が茶色くザラついているのが陶器、白くキレイでなめらかならば陶磁器と見て間違いないでしょう。
